シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」

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作品のテーマについて "コンクール応募作品にテーマは必要か?"

こんにちは。サロンの吉野です。
昨日はゼミがありました。
その中で、作品のテーマについての議論がありましたので、今回はその件をお話していきたいと思います。


私もよく会員の皆さんに、作品を作る上で、最も必要なことは、テーマとモチーフをしっかりと決めること!などとお話しています。
ただ、そうは言ってみても、シナリオを書く上で、必ずテーマやモチーフ、特にテーマを決めなければならないものなのでしょうか。その点について、ある会員の方の発表で議論になりました。
発表された方は、シナリオを書くセンス、特に作品の空気感やセリフのチョイスが優れている方で、コンクールの受賞歴もある方です。
ただ、コンクールの成績に波があって、どうしたらコンスタントに成績を伸ばすことができるのかで、少し悩んでいる状況にいます。
そんな中で、昨日の発表があったのですが、もしかしたら、その方の作品にはテーマらしいテーマがないことが、波の原因なのでは?という話題になりました。


テーマとは?
非常に根本的なことなのですが、シナリオを書く上でのテーマとは、一体何でしょうか?
確かに私は作品を書く前に、この話のテーマ(作品の中で、作者が一番訴えたかったこと=主題)は何か?を決めて、そのテーマを描くのに一番相応しいモチーフを見つけるようにアドバイスをしてきました。
テーマとモチーフさえあれば、ストーリーを組み立てることなど、さほど難しいものではないという持論があるからです。
ただ、そういった理屈っぽいもの
は抜きにして、純粋にストーリー(物語)やキャラクターを楽しく書いていきたいという人が多いのも確かです。
発表された方も、そのタイプの人でした。
それでは、そういったタイプの方が書かれるシナリオ(コンクール作品)にもテーマは必要なのでしょうか?


かしこまったテーマは考える必要はない
私はΓテーマ」というものを重要視している方でも、また、あまりΓテーマ」というものを意識していない方でも、作品を描く上でテーマらしいものを考えておくのは、作家として当たり前だと思います。
ただし、理屈っぽくΓこの作品のテーマはこれだ!」みたいなかしこまった文句は必要ないと思うのです。
何故なら、ドラマ(シナリオ)におけるテーマは、観客、視聴者に『説明』するものではなく、『感じさせる』ものだと思うからです。
例えば、主人公が、特別な形で親孝行をしたい!という話ならば、その話のテーマは、Γ親孝行とは何だろう?」という至極シンプルなもので良いと思うのです。
難しい文章を考えようとすると、行き詰まるのは目に見えますし、
受け手である観客、視聴者も、そんな難しいテーマの話は観たくないと思います。


ただ、普段からテーマを意識している方もしていない方も、Γどうしてこの作品を今書こうとしているのか?」という自問自答だけは、必ずやっておいていただきたいのです。
それが作家が創作する意味であり、それこそがΓテーマ」なのですから。



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