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コンクールで一次審査をコンスタントに通過する方法

こんにちは。サロンの吉野です。
昨日はゼミがありました。
私は以前にシナリオ学校の講師をしていた時期があるのですが、その当時の生徒さんだった方が、7、8年ぶりにシナリオを始められるということで、今月からサロンに入会してくださいました。
早速、コンクールに応募予定のあらすじを書いてきてくださいました。
コンクールにチャレンジするのは初めてということに加え、サロンが推奨しています勉強法である100文字ストーリー作りもあらすじを書くのも初挑戦ということでしたが、元々優秀な方でしたので、とても初めてとは思えないほどのクオリティでした。
あらすじの内容については、コンクールのネタに関係しますので、ここでは申し上げられませんが、テーマの掴み方が非常に斬新なものがありましたので、今後の直しのあらすじと本文の執筆に、大きな期待を抱きました。


コンクール初チャレンジの話題に触れましたので、今回は最初の登竜門である一次審査をコンスタントに通過する方法についてお話していきたいと思います。


決して運だけではない一次審査通過のポイント
以前の記事で、多くのコンクールでは、一次審査の原稿を読む審査員は、たった一人であることを話しました。
したがって、その原稿を読む審査員の好みが反映される一次審査は、少なからず運の影響があるということも述べました。
ただ、一次審査を通過するのは、運だけでしょうか?
それはもちろん違います。
確実に通過できるとはいえませんが、「コンスタント」(=一定の割合で)に通過することができる方法はあるのです。
今回は、その方法についてお話しします。
方法については、当然だと思われる項目がありますが、とりあえずはお読みいただければと思います。


一次審査通過の具体的な方法

1.一定の質を保つ
これは本当に当然のことなのですが、コンクールに応募する原稿の質を高めていくことが、まずは一番大切なことです。
簡単にいえば、一次審査通過にばらつきがある人は、この一定の質を保つという条件をクリアできていない面があります。
作品の質については、毎日のようにブログでお話していますので、詳しくは各記事をお読みいただきたいと思います。
質の要素としては、

A.キャラクターに対する考え方
B.構成の仕方
C.テーマとモチーフ
D.発想
E.セリフとト書き

などになります。
セリフとト書きについては、近くに記事としてまとめたいと思います。


2.あらすじをとにかく面白くする。上手くなる
これもいつも言っていることですし、サロンでの勉強の根幹に関わることである、あらすじです。
審査員の多くは、まずはあらすじから読み始めます。
そして、その作品が面白いのかどうかを、あらすじで大方決めてしまいます。
そういうことはあまりありませんが、例えば、本文の20枚目くらいから面白くなったとしても、あらすじがつまらなけれは、審査員はつまらない作品……として判断してしまう人が多いのです。
以前は、あらすじは読まずに、本文から入っていくという審査員もいらっしゃいましたが、今では少数派です。
何故ならば、コンクールの審査自体が、非常にタイトなスケジュールで行われているからです。
一次審査を通過するためには、とにかくあらすじを面白くする、そして上手くなることを心がけでいただきたいと思います。


3.人物表は半ページしか使わないようにする
どういうことかお話ししますと、登場人物を紹介する人物表は、原稿の左半分、つまり半ページだけ埋めて、右半分には何も書かないということです。
もう少し補足しますと、要するに人物表に書く登場人物は、極力少人数にするということでお分かりでしょうか。


コンクールは、1時間ものが圧倒的に多いのですが、私は1時間ものの登場人物は、多くても5、6人だと思っています。
その5、6人の登場人物を人物表に書くのであれば、原稿用紙の左半分、半ページもあれば十分だということになるのです。
コンクールに応募する方の中には、やたらに登場人物を多く出してくる人がいます。
また、主要な登場人物は少ないのに、どうでもいい人物、例えば、生徒Aだとか女子社員1、2まで人物表に書いてくる人がいます。 
人物表に書くのは、主要な人物のみです。
人物表一杯、さらに酷いと数ページに渡って書いてくる人もいるのです。
審査員は誰と誰の話なのか?
どういう人たちの話なのか?にしか興味がありません。
どうでもいい人には、もちろん興味はありませんし、そう人物まで人物表に書いてしまうと、大事な人間関係がわかりづらいですし、そうなると作品そのものに興味が失せてしまいます。
そういうどうでもいいことが、一次審査通過にも、大きな影響を与えてしまうのです。
とにかく人物表には、主要な登場人物のみを、そして、人数を減らしシンプルに書くことです。


4.自分に相性が合うコンクールを選ぶ
最後に、たぶんこれが一番大事なことだと思うのですが、とにかく自分と相性が合うコンクールに出すようにすれば、自ずと一次審査を通過する確率を高まっていくと思います。
皆さん、ご自分と応募するコンクールの相性のことを、深く考えていないように思います。
これについては、極めて個人的、且つ深い話になってしまいますので、ここではあまりページを割くことができません。
ただ、テレビドラマのコンクールでいうと、「フジテレビヤングシナリオ大賞、TBS連ドラ大賞」と、「テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞、創作テレビドラマ大賞」では、審査方法も含めて、すべてではありませんが、明らかに相違点があるのです。
その相違点は、皆さんの嗜好やドラマに対する感覚にも関係があります。
とても大事なことなので、今後もサロンのゼミ、シナリオ診断などでも、随時議論していきたいと思います。


いずれにしても、シナリオの質を高めることを目指し、コンクール及びご自分の傾向をしっかりと掴んだ方は、一次審査を通過しやすいことは間違いありませんので、日々鍛練を行っていただきたいと思います。



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