シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」

シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」は、シナリオ公募コンクール受賞のためのノウハウを徹底的に追求していく唯一無二のサークルです。

リメイク作品でのキャラクターの考え方

こんにちは。サロンの吉野です。
昨晩も岡田准一さん主演の『白い巨塔』を観ました。
インターネットなどの巷の評判では、岡田さんが財前五郎を演じていることに違和感を覚えている人が多いようですが、昨晩の第3話では、いよいよこの話の佳境である財前の誤診が描かれていて、ストーリーとしては、相変わらず飽きさせない展開だなと思いました。
先日の記事では、『白い巨塔』にもリメイク作品の弊害を感じさせる面があるようなことを申し上げてしまいましたが、第3話にきてグッと心を掴ませれるストーリー展開は、さすがに名作の呼び声高い作品だと改めて思いました。


名作に出てくるキャラクターたち
記事の冒頭に、岡田財前についての評判を述べましたが、何度もリメイクされるような作品では、必ずといってよいぼと、出演者がその役に適しているのかどうかが話題に上がります。
それは何故でしょうか?


白い巨塔』歴代の登場人物を比較しながら話を進めたいと思います。
大ヒットした過去作2本(いずれもテレビドラマ版)と、今放送されている新作に出ている登場人物になります。

★まずは主人公、財前五郎です。

1978年 田宮二郎
2003年 唐沢寿明
2019年 岡田准一

1966年の映画版にも主演した田宮二郎さんのイメージが鮮烈に残っていますので、ご覧になった方は、そこが評価の基準になります。
また、年齢が50歳代以下の方には、唐沢寿明さんのイメージの方が強いのではないでしょうか。
ちなみに田宮二郎さんは、身長180㎝ありました。
唐沢さんは、自称175㎝だそうです。

役のイメージとしては、外科医としての実力と評価は高いが、野心家で尚且つ自信家で、人を寄せ付けない面があります。


★次に財前の同期の内科医、里見修二です。

1978年 山本学
2003年 江口洋介
2019年 松山ケンイチ

役のイメージとしては、患者本位のヒューマニズム溢れる医師で、財前とは対称的に野心がまるでない人物です。


★次は東教授です。

1978年 中村信郎
2003年 石坂浩二
2019年 寺尾聰

役のイメージしては、教え子である財前の医者には相応しくない野心家ぶりを苦々しい思いで見つめていますが、反面、財前の外科医としての実力に嫉妬しているところもあります。


★次に財前の愛人、花森ケイ子です。

1978年 大地喜和子
2003年 黒木瞳
2019年 沢尻エリカ

役のイメージとしては、一人の男の妻として収まる気持ちは更々ないが、内面は妻以上の気配りで男を支えていく女性です。


★次は財前の舅、財前又一です。
 
1978年 曽我廼家明蝶
2003年 西田敏行
2019年 小林薫

役のイメージとしては、金は腐るほどあるが、自分が手に入れることができなかった名誉を、肉親に求める打算家です。


★次に東教授の娘、東佐枝子です

1978年 島田陽子
2003年 矢田亜希子
2019年 飯豊まりえ

若く美貌の女性で、如何にも世間知らずなお嬢さんに見えるが、真は非常にしっかりとしている理想家の女性です。


以上に書いた役のイメージは、私の抱くイメージですが、おそらく他の方が想像されるイメージも大きな違いはないと思います。
このように『白い巨塔』に出てくる各登場人物を、役のイメージを申し上げていくと、とてもシンプルなキャラクター設定になります。
つまり名作に出てくるキャラクターは、必ずしも複雑で解りにくい人物にする必要はないのです。
むしろ解りやすいくらいのキャラクター設定のほうが、観客、視聴者には入り込みやすいのではないかと思うのです。
アニメの『ルパン三世』なども、その良い例でしょう。

問題になってくるキャスティング
そこで問題になってくるのが、この解りやすいキャラクターたちを誰が演じれば一番良いのか?ということです。
言い方を変えれば、誰が一番相応しいのか?ということになります。
役のイメージがはっきりとしていて、尚且つ解りやすいので、演じなければならない俳優さんにとっては、逆にとても大変なことなのです。
さらに役に対する観客、視聴者の要求が大きくなりますので、俳優にとっては、余計にプレッシャーがかかってきます。


したがって、名作をリメイクするときは、出演する俳優さんたちも、それなりの覚悟が必要なります。
そういう意味でいうと、その覚悟を持って役に挑まれた今回の岡田さんを初めとする俳優陣の方々を、残り2回、私は期待を込めて見守っていきたいと思いました。



f:id:sinario_salon:20190525173825j:plain