シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」

シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」は、シナリオ公募コンクール受賞のためのノウハウを徹底的に追求していく唯一無二のサークルです。

コンクールの審査員は親切な人ばかりとは限らない

こんにちは。サロンの吉野です。
6月は創作テレビドラマ大賞、伊参スタジオ映画祭などの締め切りがあるコンクール月でもあります。
サロンの会員の方々は、それぞれの目標に向かって、早いスタートを切られているのですが、一人でコンクールに立ち向かっている方の中には、締め切りが近づいているのに、まだ何も発想が浮かんでいない……という人もいらっしゃるのではないかと思います。
ただ、いつも申し上げていますように、締め切りが近くなって、慌てて何かを書いても、勝算としては厳しい結果になる確率が非常に高いといえるでしょう。
コンクールを取る(受賞する)ということは、皆さんが考えている以上に厳しいものです。
その厳しさの一つに、各コンクールの審査員の「コンクールに対する考え方」があります。
皆さんはご自分が書いて応募した作品を、そのコンクールの審査員が読むときに、どのような気持ちで審査に当たるとお思いでしょうか?
例えば、一次審査を担当している審査員の方が、皆さんの書かれたシナリオを二次審査に通すために、好意的に良いところをピックアップして読んでくれる……。
そのような考えがある方はいらっしゃいますでしょうか?


残念ながら答えはNOです。
一次審査、二次審査に関わらず、初期の審査は皆さんの書いたシナリオを上にあげるために読むのではなく、篩にかける、選から外す、つまり「落とす」ために読んでいるのです。
当然、好意的な目で読んでくれるなど、間違ってもありません。
まずはコンクールというものは、そういうものなんだ、という心構えで臨んでいただきたいのです。
それでは応募者の立場として、今後は何を気をつけていけば良いのでしょうか。


審査している人を思い浮かべる
審査員の人は、皆さんという人物を知っていて、そのシナリオを読んでいくわけではありません。
皆さんも、ご自分が書かれたシナリオが、誰に読まれるのかを知らずに読まれてしまうのです。
ただ、皆さんが出来ることの一つに、「どういう人たちが審査するのか?」という情報は掴むことはできます。
読んでくれる審査員個人はわからなくても、どういった傾向がある審査員が読むのかは、調べることができるのです。
例えば、創作テレビドラマ大賞の審査員は、日本放送作家協会に所属する脚本家、作家の方たちです。
最終審査に近づくと、NHKのプロデューサーやディレクターが審査に加わるようですが、一次、二次くらいまでは脚本家、作家だけです。
つまり脚本家、作家の人が、どういう傾向の作品を好むのかを知っていれば、作品を書く上で大きなアドバンテージになるはずです。


作家が作家に求めるもの
脚本家、作家の方々が好む傾向の一つは、「この作品は、自分には書けない……」と思わせる作品です。
つまり、どこかで観たような作品を読まされても、心は打たれないということです。
自分には書けない……と思わせる方法としては、いつも申し上げている『意外性』の付加があります。
キャラクター、設定、人間関係など、意外性のあるものに、脚本家、作家は心を動かれます。
それともう一つ、脚本家、作家が審査する中で、作品の評価に繋がるものは、その作品を書いた作者の「作家性」があります。
これは以前の記事でもお話したかと思いますが、プロデューサー、ディレクターばかりが審査するコンクールとは大きな違いがあります。
作家性については、多くのページを割かないと、伝わらない部分が多いと思いますので、別の機会に譲ることにします。
ただ、一つだけ言えるのは、その作品を書いた作者には、作家になるための元来からのテーマがある人なのか?
そこが視られているのだと思います。


とにかくコンクールに応募する際には、応募するコンクールの特徴と審査員の特性を調べて、万全の備えで臨んでいただきたいと思います。



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