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シナリオ発想法6 「~っぽい」という概念から抜け出す

こんにちは。サロンの吉野です。
前回に引き続いて、創作テレビドラマ大賞一次審査で感じたことをお話したいと思います。


今回の一次審査の結果を見て、はっきりとわかったことがいくつかありました。
一つは、ある種偏った考えのもとで、それぞれのコンクールの傾向を読まないこと。
もう一つは、ジャンルの違いこそあえ、とにかくモチーフの斬新さがあること。
以上2点になります。


「~っぽい」という考え方を変える
サロンのゼミで、皆さんとコンクールのお話しているときに、よく「NHKっぽい」とか「フジっぽい」という言葉を耳にします。
言わずとしれた創作テレビドラマ大賞のことであり、フジテレビヤングシナリオ大賞の傾向を表現している隠語のようなものです。
私はゼミなどで「NHKっぽい」とか「フジっぽい」という考え方をしないほうが良いと話してきましたが、長年染み付いた考え方は、中々変えるのは難しいようです。
何を隠そう、この私もコンクールに応募していた頃は、「NHKっぽい」とか「フジっぽい」という言葉を、呪文のように使っていたのですから。


今回の創作テレビドラマ大賞に関しては、サロンの会員の方々は非常に早いスタートを切っていた、ということは、このブログでもお話してきました。
皆さん、非常に可能性のある内容で、従来のコンクールであれば、一次審査は通っても全くおかしくない内容のものばかりです。
ただ、何か足りない……という思いも、同時に持ってしまう作品が多いのも事実でした。
前回の記事でもお話しましたが、サロンの中で、今回の創作テレビドラマ大賞一次審査を通過した作品は、いわゆる「NHKっぽい」という概念を打ち破っている作品ばかりでした。
その中でも「これは良い! 凄いかも!」とゼミの中でも思わず私が口走ってしまうくらい、斬新なモチーフ、設定、ストーリー展開の作品があったのです。
おそらく聞いていた他の会員の方たちは、「これってNHKで放送できるの?」と訝るくらい、従来のいわゆるNHKっぽいという概念を越えた作品でした。
さらに詳細については、ゼミでお話したいと思います。
とにかくコンクールにチャレンジしていく方は、変に凝り固まった既成概念で、それぞれのコンクールの傾向を読まないことです。
ただし、以前の記事で述べたように、それぞれのコンクールの審査は、どういう人がやっているのか?を知ることは大切です。
しかし、ネタに関して、そしてストーリー展開に関しては、「~っぽい」という概念は取っ払うことです。
また、NHKだから感動話が良いのではないか……とか、フジヤンだから若者のラブストーリーっぽいものが良いのではないか……などは、当然捨てたほうが良い概念です。
もちろん感動話がダメだとか、若者のラブストーリーがダメだと言っているわけではありません。
要するに、「何々コンクールだから~」という枠にはめるのはやめたほうが良いということです。
いつも言っていることですが、これからのコンクールは、「ホォ! なるほど!」と唸ってしまったり、「これは今まで観たことがないぞ!」と手を叩きたくなるような斬新な設定、ストーリーが、尚一層望まれていくのではないでしょうか。


ストーリーではなく、とにかく関心事が大切
これもいつも言っていることです。
「ストーリーらしいものから考えるのではなく、とにかく普段の生活の中で、関心のある事、物を発見する事から始める」
今回の創作テレビドラマ大賞一次審査では、まさにそのことを裏づける結果になりました。
今回、創作テレビドラマ大賞に応募されたサロンの会員の方々も、普段関心があるんだろうな、と思わせるモチーフは見つけていると思います。 
ただ、その関心事が他の人の関心をそそるまでには至っていないものが多かった気がします。
そして一次審査を通過された方は、やはりこの「他の人の関心をそそること」に成功していました。
そこに差が出ているのだと思います。


とにかく「~っぽい」という概念を無くしていくことと、観たこともない、聞いたこともない、やれるはずはない、という既成概念を取っ払うのが、今後のコンクールには必要なんだということを、改めて感じさせる今回の一次審査発表でした。



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