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シナリオ発想法7 関心のある「事」「物」(キーワード)から発想する

こんにちは。サロンの吉野です。
前回はストーリーを考えるのは最後!というお話をしました。
今回はその続きになります。


まずは思いついた単語から始める
例えば、皆さんの中に『立て籠り』という単語(キーワード)が頭に浮かんだとします。
立て籠りとは、ある空間に閉じ籠ったり、籠城する意味ですが、一般的によく使われるのは、犯罪をした人間が、人質を取って籠ってしまう状況を指す場合が多いようです。
前回、お話したことは、ストーリーを考える前に、まずは自分が関心のある「事」、「物」を見つけること、と申し上げました。
頭に浮かんできたキーワード『立て籠り』が関心のある「事」でも良いのですが、物語の発想としては、やや弱い気がします。
そこで、これもいつもお話している「組み合わせ」の技術を使ってみます。


組み合わせと人物履歴が鍵を握る
まず、どこに立て籠るのだろう?と考えます。
そして、どんな人が立て籠るのか?を想像してみます。
そして、浮かんできた関心事が、『複数の老人が電車をジャックして立て籠る』になりました。
これならば物語のアイデアとしても、非常に意外性があって、「なんか面白そう!」と思う人が多いのではないでしょうか。
それもそのはずで、このアイデア山田太一さんの書かれた『シルバーシート』というテレビドラマのアイデアだからです。
例えば、この関心事『複数の老人が電車をジャックして立て籠る』
が浮かんできたら、それでは立て籠る老人とは、どんな人たちなんだろう?というところに、まず考えが及びます。
そこで登場人物の「履歴」が必要になります。
さらに、そこから様々なストーリーが考えられます。
つまりストーリーは一番最後に考えても良い!という結論に至るのです

さらにさらに、山田太一さんが、このドラマで訴えたかった「老人問題」というテーマさえ導き出すことだってできます。
この発想は、『立て籠り』、『複数の老人』、『電車ジャック』の3つの組み合わせで成り立っています。
さらに、立て籠る老人たちの人物造形が鍵を握っています。

このようにストーリーから先に考えずに、関心のある「事」「物」=モチーフから発想していき、さらにどういった人物が登場するのか?を先に考えたほうが、より質の高い作品を創ることができるのです。 
質が高い=コンクールで受賞の可能性がある!にも繋がりますので、とにかくストーリーは一番最後!を実践していただきたいと思います。



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