シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」

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どんでん返しを狙うなら、緻密な「伏線」を張らなければ、ただの唐突な話……になってしまう

こんにちは。サロンの吉野です。
昨日はゼミがありました。
 
昨日はゼミ後にシナリオ診断の予定があったのですが、診断を受けられる方がゼミの中でもあらすじを発表してくださったので、その方は私以外の会員の皆さんも意見を聴くことができました。

その方の作品は、いわゆる「どんでん返し」の話になります。
詳しいことは、コンクールのネタになりますので、申し上げられませんが、私はその方の三行ストーリー、あらすじ、未完成の本文を拝読しても、作者の意図するところの「どんでん返し」に気づくことができませんでした。
私の読みが浅い……ということがあるのかもしれませんが、普段からストーリーを動かすだけでは、人を感動させることはできない!という自負を持って、ゼミ及びシナリオ診断を行っていますので、読みが浅くなってしまった理由は、すぐに解明できました。

理由の一つ目は、「意外性のあるストーリー展開(=どんでん返し)を追いかけるばかりで、その意外な行動を取ってしまう人物の心理、心情が全く描けていない」という点です。
こういったことをしてしまうのは、今回の作者に限ったことではありません。
奇想天外なストーリーを模索するあまりに肝心の登場人物の心情が全く描けていない…というのは、多くの人にありがちなミスなのです。
よく『人間が描けていない』という言葉を聞くと思いますが、いつも言っていることですが、先に考えるのは「モチーフ」、「テーマ」、「キャラクター」であって、「ストーリー」は一番最後に考える!ということができていれば、陥ることのないミスだと思います。
 
理由のもう一つは、どんでん返しという結末を得るために、中間に必ず張っておかなければならない「伏線」が全く張れていない……という点です。
テレビドラマでも映画でも、観客、視聴者は、どんでん返しの結末を見終わった後、「なるほど! あのシーンがこの意外な結末に繋がっているんだ!」という『伏線』があることで納得し、カタルシスを得られるのです。
伏線が張れていないいわゆる「どんでん返し」は、単なる唐突な話……にしか見えないということを肝に銘じていただきたいと思います。
意外な展開であればあるほど、伏線は巧妙に緻密に張らなければならないことは言うまでもありません。

とにかく独りよがりなどんでん返しにならないように、細心の注意を払いながら、創作に励んでいただきたいと思います。



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