シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」

シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」は、シナリオ公募コンクール受賞のためのノウハウを徹底的に追求していく唯一無二のサークルです。

フィクションであるストーリーの中に「実際にあった出来事」を取り入れたほうが有利になるケース

こんにちは。サロンの吉野です。
コロナウイルス感染予防のため、ゼミナールを休講にしていましたが、今週辺りから感染しやすいと言われる①密閉空間で換気が悪い。②近距離で会話、発声がある。③手の届く距離に多くの人がいる。の3つの条件の重なりを避ける形で、ゼミナールを再開したいと思っています。
会員の皆様には、内容については、近々にご連絡をさせていただく予定ですので、もう少々おまちかねいただければと思います。

休講の間、会員の皆さんから、連日三行ストーリーやあらすじの添削依頼があります。
その中の一つで、ジャンルとしては、都市伝説を扱ったホラー系の三行、あらすじをいただきました。
依頼の作者は非常に若い方で、細部に渡って、とても練られたあらすじ(プロット)を送ってくださいました。
ただ、都市伝説の由来になった事件(出来事)そのものも、作者の創ったオリジナル、架空の事件(出来事)でした。
観客、視聴者、読者を物語世界に引き込むためには、その物語に興味を持ってもらうきっかけが必要になります。
特に、ホラーや都市伝説など、非現実的な世界を描いたものには、観客、視聴者、読者に「この話は、実際にありそうな話だな」と思わせるような説得力が必要になります。
それがないと、どんなに練られたストーリーであっても、ただの嘘臭い話……と片付けられてしまう可能性があるからです。
そんな時にお勧めするのが、「実際にあった出来事(事件)をモチーフに使うこと」です。
ただ、実際にあった出来事(事件)を、そのまままるごと使う必要はありません。あくまでも実際にあった出来事(事件)を「モチーフ」に使うという意味です。
例えば、横溝正史の『八つ墓村』という作品がありましたが、あの小説の中に出てくる村人32人殺しという事件は、実際にあった大量殺人事件『津山事件』をモチーフに使っています。
同じ横溝正史の『悪魔が来たりて笛を吹く』の発端になった事件は、あの有名な『帝銀事件』をモチーフに使っています。
つまり横溝は、実際にあった事件を読者に想起させたほうが、読者を物語世界に引き込みやすいと考えたからに違いないのです。
『津山事件』も『帝銀事件』も、「こんな残虐な事件、あり得ないだろう……」と、普通の神経の人なら、そう考えてしまうような事件です。
しかし、実際にあった本当の話、あるいはその話をモチーフに使っている…ということであれば、観客、視聴者、読者に「なるほど!」という説得力と、物語世界にすんなりと入れるという安心感を与えることができるのです。
あり得ない話をあり得る話にする一つの方法として、実際にあった出来事(事件)を上手にモチーフとして使っていただきたいと思います。


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