シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」

シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」は、シナリオ公募コンクール受賞のためのノウハウを徹底的に追求していく唯一無二のサークルです。

エンターテイメントの本質

こんにちは。サロン吉野です。
昨日はゼミがありました。
6名の皆さんの発表があり、いつものことですが、どれも粒ぞろいで、非常に可能性のある内容ばかりでした。
ただ、発表された皆さんに共通していることで、若干気になった部分がありましたので、このブログをお読みの方にも、それをお伝えしておきたいと思います。


エンターテイメントの本質は他人を楽しませること

1.自分が観たい書きたいと思うものを描くのでなく、他人が観たい読みたいと思うものを描く
シナリオを書く動機として、書いている本人が観たい書きたいと思うものを描くことは、当たり前の欲求で、その欲求がその作者の個性を育むことにもなります。
したがって、その欲求を全面的に否定するものではないのは、言うまでもありません。
ただ、エンターテイメントを創るのを志している方は、自分の志向を貫く意思以上に、「人(他人)を楽しませる」ということを強く意識していただきたいと思うのです。
それはシナリオコンクールに応募する際にも、同じことが言えます。
主催者が、コンクールで書き手を募集するのは、みんなが面白いと思えるシナリオを書ける人が欲しいからです。
それはテレビドラマや映画というものは、他人を楽しませるために作られているものだからです。
応募者が自己満足を得ることに対して、主催者がわざわざ賞金を出しているのでは、もちろんないのです。
エンターテイメントの本質、基本は、他人を楽しませること、そして「おもてなし」だからです。


2.自分の思いを遂げることと他人を楽しませることの両立、共存
他人を楽しませることは、エンターテイメントを創る上で、最も意識しなければならないことであるのは言うまでありません。
ただ、他人の思惑ばかりを気にして、自分が書きたいもの、描きたい世界を、全く創れないのであれば、創作者になる意味はないでしょう。
それならば、その相反することと思われる二つを両立、共存されるためには何をすれば良いのか?


いつも申し上げていることですが、まずは「作者である皆さんが関心のあること、ものを見つける。
そこから始まるのだと思います。
とにかく最初は自分です。
自分が関心がないものを描くのは、これほど辛いことはありません。
そして、次のステップとして、その関心のあることは、他人にも関心があることなのか?
これを検証することです。
ここが非常に大事になってきます。
自分だけが関心を持っていても、周りの人、つまり他人が全く無関心であれば、エンターテイメントになりようがないからです。
ここまでは、ストーリーを考える必要は全くありません。
とにかく自分が関心のあること、ものに、他人も関心を持ってくれるのか? 
それだけわかれば十分です。
他人が興味を持ってくれれば、その関心事は、エンターテイメントの素材に成りうることがわかったのですから、大きな成果といえるでしょう。
あとはストーリーを組み立てるだけです。



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サロンの会員の方も、自分の書きたい「ストーリー」から入ってしまっているケースが多いように思います。
ストーリーまで作ってしまうと、例えそれが他人の関心のあることとはズレてしまっても、それを修正、直していくのは、至難の技になってしまいます。
これもいつも申し上げているのですが、すぐにストーリーを作るところから入らずに、まず自分が関心のある「こと」、「もの」を探してくる、見つけてくる!
そして、それが他人にも関心があることなのか?
そのステップが、自分の思いを遂げることと、他人を楽しませることの両立、共存に繋がっていくのだと思います。
そしてそれが、最終的にエンターテイメントを創ることになるのだと、私は思うのです。

久しぶりにスピルバーグの『激突』を観て

こんにちは。サロンの吉野です。
昨晩は、BSテレ東でやってましたスティーヴン・スピルバーグ監督初期のテレビ映画『激突!』を久しぶりに観ました。
今さらですが、この作品を観て、「ああ、これは煽り運転を描いているんだな……」と改めて感じました。
昨今、社会問題になっている煽り運転
東名高速の死亡事故やドライブレコーダーの発達で表面化しましたが、私も車を運転するのでわかりますが、煽り運転自体は今に始まったことではなく、日本だけではない、世界各地で起こっていたことなんだなと、久しぶりに『激突!』を観て感じました。
たまたま死亡事故に繋がったり、ドライブレコーダーという機器があることで、普段は車を運転しない方々にも認知されたということではないでしょうか。

日常の中の非日常
それにしても、スティーヴン・スピルバーグ監督という人は、本当に日常の中の非日常を描く名手だと思います。
以前の記事で、最近のテレビドラマは、変な人が出てきて、突拍子もない芝居をしたり、変なセリフを吐くことが多いのでは、と申し上げました。
それは、舞台出身の方が、脚本を書くケースが増えたからではないかとも述べました。
舞台出身の方が悪いということではなく、テレビドラマという媒体の特長は、非日常的な世界で非日常を描くのではなく、「どこにでもある日常で、非日常的なことが起こる」のを切り取っていくところに価値がある、と私は思っているからです。
まさに、1971年にテレビ映画として作られた『激突!』は、それを象徴しているかのような作品だと思います。
その後スピルバーグは、夏休みの海水浴場に巨体鮫が襲ってくる『ジョーズ』など、日常の中の非日常を描いてきました。
『激突!』の主役であるセールスマン(デニス・ウィーバー)も、『ジョーズ』の主役である警察署長(ロイ・シェイダー)も、どこにでもいる普通の人で、平凡な日常を送っている人でした。
そんな中に起きる非日常を描いているのです。
ただ、『激突!』で注目されて、テレビから映画の世界に移られてからは、『未知との遭遇』や『E・T』のようなSFやファンタジー系の作品も多く作るようになっています。
それはやはりテレビと映画の媒体の違い、制作費の関係、あるいはスピルバーグ自身の好みもあるのかもしれません。


ただ、私個人としては、テレビ、映画の違いはさておいて、日常の中の非日常を描いた作品の方が好きなんだと、これも改めて感じた昨日でした。
皆さんは、どうお感じでしょうか?


明日は本日行いましたゼミについてお話したいと思います。



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シナリオ診断についてのお知らせ

いつもお世話になっております。
創作交流サークル サロン主宰の吉野です。
サロンが行っている活動の一つ、シナリオ診断について、お知らせいたします。



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主要コンクール締め切り1ヶ月前は、大変混み合うことが予想されます。
診断をご希望される方は、予め診断をご希望される日にちをご予約されることをお勧めいたします。

例えば、6月末締め切りの創作テレビドラマ大賞のシナリオ診断をご希望の場合であれば、

「6月3日(月)からの週のどこかで診断を受けたい」
のような漠然としたもので構いません。
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お問い合わせをいただいた時点で、具体的な日程及び時間、診断をさせていただく場所等をご連絡、お打ち合わせをさせていただきます。

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ゼミやメールでのお問い合わせでお願いいたします。

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