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リメイク作品量産の代償

こんにちは。サロンの吉野です。
映画やテレビドラマで、とても評判の良かった作品をリメイクし、再び公開する手法は、洋の東西を問わず、非常に多いのが現実です。
皆さんも、リメイクされた作品をご覧になることは、1回や2回では済まないはずです。
極めつけは、リメイクされた作品を新作だと思って見てしまうことも、笑い話ではなく、日常茶飯事に起こっています。
残念ながら私も、すっかり新作だと思い、挙げ句にリメイク作品に感動までしてしまって、赤っ恥をかいたことがありました。
そんな方も多数いらっしゃると思います。
それだけリメイク作品は量産されているのです。



今回の記事は、私見がかなり入っておりますので、反対意見のある方には、ご容赦をお願いいたします。
まず申し上げたいのは、リメイク作品を何でもかんでも量産することへの疑問もあるのですが、一番問題だと思っているのは、オリジナル作品が公開されて間もないにも関わらず、リメイク作品を作る姿勢に対してです。
皆さんもお感じのように、リメイク作品がオリジナル作品を越えるのは、至難の技です。
おそらく80%くらいは、失敗作に終わっているでしょう。
それにも関わらず、こうした姿勢でリメイク作品が作られるのは何故ででしょうか?


私は創作者側のグローバルな視点の欠如が原因だと思っています。
要するに、インターネットを初めとする情報のグローバル化が進んでいるのにも関わらず、映画やテレビドラマを作る創作者が、たぶんこんな気持ちで作っているのではと思うのです。
「良いものを観た! それならば、うちらの国でも同じものを作ってみんなに観せればいい……」
そうです。
オリジナル作品が公開されて間もないにも関わらず、リメイク作品を作ってしまうのは、オリジナル作品とは別の国の創作者なのです。
近年の有名な映画作品で言うと、『Shall we ダンス?』や『イルマーレ』など、枚挙に暇がありません。
日本のテレビ界も、海外ドラマのリメイクをこれでもか!というくらい作ってます。
もちろん、ただ単に、新作を作るためのアイデア不足が原因だったり、創作者の怠慢だけではないとは思います。
オリジナル作品の興行成績が良ければ、リメイクを作るそれ相応の経済効果などの見返りもあるに違
いありません。
視聴率の当て込みも狙いの一つでしょう。
ただ、リスクを伴う危険性があるにも関わらず、先ほど申しましたように、リメイク作品のほとんどは失敗に終わっているのです。
それにしても、これだけエンターテイメントの情報が、世界的に共有できる時代に、考え方が少々古いのでは……と思わざるを得ません。


もしも他の国の作品をリメイクするのであれば、オリジナル作品公開から少なくとも30年以上経ったものにしていただきたいと思います。
30年経てば、観る人の入れ替わりもありますし、過去に観たという人も、新鮮な気持ちでリメイクを観られると思います。
実際、自分の国同士のリメイクは、最低で10年以上経過したものが多いはずです。
いずれにしてもリメイク作品は、リメイクとはわからないくらいの年月の経過、及びオリジナル以上のクオリティの高さで勝負していただきたいと思います。


ただ、一番最初に申し上げましたように、私自身、リメイクとは知らずに、不覚にも感動してしまう事実があることを思いますと、リメイクの量産は、ある意味必要悪なのかもしれません。



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