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コメディリリーフの正しい使い方 シリアスドラマにおける役割と演じるキャラクターの選定

こんにちは。サロンの吉野です。
一昨日にゼミがありました。
会員の方の発表で、コメディリリーフに関する内容がありましたので、今回はそこに触れていきたいと思います。


コメディリリーフの役割
コメディリリーフとは、シリアスな展開のドラマの中で、一時緊張感を緩めるために作られた状況や、その状況を演じるキャラクターのことです。
例えば、シェークスピアの悲劇の中でいえば、、その役割を演じるキャラクターとして、シェークスピアの『ハムレット』の墓堀人、『マクベス』の門番、『リア王』の道化があげられます。
スターウォーズ』シリーズのC-3
POとR2-D2のロボットコンビなども、その例に当たります。
(※以上の例は、wikipediaより参考)
レ・ミゼラブル』に出てくるテナルディエ夫妻なども、典型的なコメディリリーフキャラクターでしょう。
ただ、コメディリリーフに登場してくるキャラクターとは、上記の例のように、ただ単に「笑わせ役」ためのピエロのような存在だと、かつては思われていましたが、最近ではそうではない面もあるようです。
例えば、ドラマの中で、一定のシリアスな要素を持ち合わせているキャラクターが、コメディリリーフの役割も、同時に併せ持っている場合などです。
つまりシリアスドラマにおける重要な役割、例えば、副主人公や三番手クラスの人物が、コメディリリーフの役割を兼任していることがあるのです。
したがってシリアスドラマを語る上で、コメディリリーフ用のキャラクターと簡単に片付けるのは、非常に危険なことだと言えるでしょう。



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シリアスな面とコメディな面を併せ持つ人物の紹介
このように、シリアスドラマの中で、重要な役回りを担う人物が、コメディリリーフを演じる人物としても、重宝に使われる場合は、その人物の「紹介」の方法に、一工夫が必要です。
つまり、従来のコメディリリーフとは、「観客」の緊張をほぐすための役割でしかなかったのですが、重要な人物がコメディリリーフを演じる場合は、観客に対してだけではなく、その話の「主人公」の緊張も和らげる役割を担っているのではないかと思うのです。
要するに、重要な人物のコメディリリーフは、「観客」と「主人公」を、同時に癒す役割を担っているのだと思います。
ですので、コンクールに応募される方は、十分にその人物がどういう人物なのかを、まずは「紹介」した上で、コメディリリーフの場面を作っていく必要があります。


唐突感を無くすためには
ドラマの中で、シリアスな部分を多く持っている人物が、コメディリリーフのキャラクターとしても登場する場合は、コメディリリーフのシーンの前に、きちんとその人物の紹介をしなくてはいけません。
つまりシリアスな一面を、前もって紹介するととも、「この人はそういう面(コメディ要素のある)も持っている人なんだ」ということを、予め観客にわからせなければならないのです。
そして、そのコミカルな性格は、主人公を癒すために造られたキャラクターなんだ!ということも、わからせる必要があるのです。
この作業を怠ったまま、いきなりコメディリリーフのシーンへ入ると、ただ単に唐突感のある人物が、奇行をしているようにしか見えなくなってしまいます。
とにかく作者は、コメディリリーフというものの意味と役割をしっかりと掴んだ上で、それを演じるキャラクターの選定をしていただきたいと思います。



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