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ドラマに番宣は本当に必要なのか?

こんにちは。サロンの吉野です。
7月になり、連ドラも新しいクールに入ります。
そこで毎回行われるのが、新ドラマの番組宣伝、いわゆる「番宣」です。
今晩のTBSは、かつての人気バラエティー番組だった『東京フレンドパーク』の看板で、新ドラマの宣伝を行うようです。


視聴率下降に寄与する番組宣伝
ただ、いつもながら思うのですが、ドラマに番宣は本当に必要なのでしょうか?
ドラマが始まる前に、役者さんたちが「素の部分」を見せてしまうことに、何の意味があるのかと思ってしまうのです。
例えば、非常に憎しみ合っているという設定でキャスティングされた役者さん二人が、番宣の中で「本当はとても仲が良いんですよ~」なんて話されてしまったら、脚本家や演出家は、「おいおい、勘弁してくれよ~」とはならないのでしょうか?
かつてジェームス・ディーンという俳優は、彼の出世作になった『エデンの東』の撮影の中で、父親役のレイモンド・マッセイから稽古中から嫌われるようなことを散々やったそうです。
何故ならば、ディーンが演じるキャルは父親に反発し、父親もキャルのことを、息子にも関わらず、憎んでいるかのような人物の役柄だったからです。
ジェームス・ディーンは、自身の役柄と父親のレイモンド・マッセイの役柄をも計算した上で、稽古中からわざと嫌われるようなことをしたのだ、と言われていました。
そのぐらい芝居(映画やドラマ)を創るということは、脚本家も演出家も俳優も真剣なのです。(だった、と言い換えてもいいかもしれませんが……)


視聴者はCM目的でドラマを観ている訳ではない
観ている視聴者だって、このような番宣を見せられては、ドラマに感情移入なんて出来るはずがありません。
結果、年々視聴率がうなぎ下がりする……。
そんな悪循環を、ここ数十年見てきている気がします。
もちろん視聴率低迷の理由は、それだけではないとは思いますが、業界は本来のドラマを楽しくみせる!というところに、もう一度考えを、戻したほうが良いのではないかと思うのです。
もちろんそれにはスポンサーの大きな度量が必要でしょう。
脚本家だって演出家だって、本当はこんな番宣嫌に決まっているのですから。
視聴者はCMを観るためにチャンネルを合わせるのではなく、今度のドラマはどういう話なんだろう?という興味で、テレビの前に座るのですから。



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