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そもそも制作者は良質なドラマを創ることがドラマ制作の主目的ではないのかもしれない

こんにちは。サロンの吉野です。
前回、テレビドラマに番宣は本当に必要なのか?というタイトルでお話をしてきました。
少なくともドラマをしっかりと観ていきたい私のような視聴者からすると、番宣は百害あって一利無しにしか見えない……ということも、前回に述べました。


ただ、裏を返せばドラマ制作者側にとって番宣は、それ自体が「主目的」と言えるくらい重要なものなのかもしれません。
私が言うドラマ制作者とは、スポンサー、テレビ局、ドラマ制作会社、そして芸能事務所を指します。
以上の方々のドラマを創る「主目的」について、甚だ僭越ではありますが、私見を述べさせていただきます。


■スポンサーはCMを流すことが主目的
これは前回の記事でも述べましたが、ドラマを制作する一番大きな権限を持っているのは、そのドラマを制作するために必要なお金を出してくれるスポンサーであることは間違いありません。
テレビ局や制作会社が、それ自体に最近意味が薄れている視聴率にこだわるのは、ドラマが放送されている間に流れるCMを、どれだけの人が観てくれているのかを一番気にしているスポンサーに配慮しているからに他ならないのです。
つまりドラマを作る上で、最も大きな権限を握っているスポンサーのドラマを創る「主目的」は、視聴者に、放送の間に流れるCMを観てもらうことなのです。


■芸能事務所の主目的は、自社の俳優、タレントの価値を高めていくこと
ドラマを作る上で、スポンサーに次ぐ大きな権限を持っているのは、芸能事務所だと思います。
芸能事務所と一言でいっても、大きな事務所もあれば、弱小事務所もあります。
私が今回言いたいのは、大きな事務所のドラマを作る「主目的」についてです。
大手芸能事務所には、名だたる俳優、タレントが所属しています。
そして大手芸能事務所が一番望むことは、抱えている俳優やタレントの価値を高めていくことに他なりません。
それでは、その価値とは何でしょうか?
やはりそれは多額のギャラを取れること。
そして頻繁に使ってもらえるようになること。
だと思います。
そこにはスポンサーとの関係が大きく影響するでしょう。
ドラマの主演俳優が、そのドラマのスポンサーのCMに出演している光景を、皆さんもよくご覧になるかと思います。
つまりスポンサーと大手芸能事務所とは、ドラマを作る「主目的」こそ違え、一蓮托生の関係といえるのではないでしょうか。


■テレビ局、ドラマ制作会社の主目的はスポンサーと大手芸能事務所に気を遣うこと
繰り返しになりますが、ここで述べていることは、私が勝手に感ずること、私見です。
違っていることも多々あるかと思いますが、少ないながらもこの業界に席を置いていた時期がありましたので、その経験も含めてお話していきたいと思います。


ドラマを創る上で中核を担うのが、テレビ局や制作会社です。
その中心になるべく両者が、スポンサーや大手芸能事務所との関係に重きを置きすぎて、肝心のドラマの質については、あまり関心を持っていないように見えてしまうのが残念です。
もちろんそうではないテレビ局、制作会社のスタッフもたくさんいると思います。
ただ、ここ二十数年ぐらいその傾向が顕著に見られるような気がするのです。
願わくば、良質なドラマを創りたい!と、様々な敵と闘っていけるような真のドラマ人が多く出てきていただけることを、心の底から望んでいます。


ドラマは誰のもの?
我々が観ているドラマとは、一体誰のものなのでしょうか?
最近、日本のテレビドラマは低迷していると言われます。
Netflixなどが制作する海外ドラマ等に、人気を奪われていることは、疑いようがありません。
おそらく後者は視聴者本位の番組作りをしているのに対して、前者は視聴者不在の番組作りをしている可能性が否定できないからです。
話は冒頭に戻りますが、私のようなドラマをしっかりと観ていきたいと思っている視聴者のことを、
もう少し考慮に入れていただき、「視聴者本位のドラマ創り」を、今度はお願いしたいと切に願います。



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