ショーケンという役者のいた時代のドラマ
こんにちは。サロンの吉野です。
今日は昨日、予告した内容を変更して、ショーケンこと、萩原健一さんの訃報のニュースからお話したいと思います。
私のように50代半ばの人間にとっては、ショーケンは、とにかくカッコいい大スターでした。
テンプターズ時代も、カッコいいお兄ちゃんだなと思っていましたが、本当に憧れの対象として意識したのは、役者になってから。『太陽にほえろ』のマカロニになってからだと思います。私が小学校の高学年の頃です。
その後、ショーケンは、史上最高のドラマという呼び声も高い『傷だらけの天使』に主演し、水谷豊さんと名コンビを組みました。
そして倉本聰さん脚本の『前略 お袋様』も忘れられない名作です。
特に僕ら(今回の記事は″僕ら″、で統一します)、中学生にとっては、ドラマのオープニングの朝食シーンが、カッコよくてカッコよくて仕方がありませんでした。
僕らの中学高は給食ではなく、弁当を持参する習わしでした。普段は母親の手作り弁当を作ってもらっていたのですが、午後は部活だけの土曜日だけは、母親の負担を減らしてあげる……というのは口実で、例のあの朝食シーンを再現するために、あの食材を持ち込める唯一の時間でした。
″熟れた大きなトマト、コンビーフ、リッツ、そして瓶の牛乳″
これらの食材を、口で演奏する主題曲に合わせて、あのオープニングシーンの順番通りに食べるのです。
晩年、ショーケンは、非常に健康に気を使っていらっしゃったようですが、破天荒と言われた若い頃も、ドラマのシーンではありますが、意外にバランスの良いヘルシーな朝食を好んだのだな、と変なところで感心してしまいました。
余談はこのくらいにして、ショーケンのドラマについて語りたいと思います。
何よりも、僕らに衝撃が大きかったのは、やはり『太陽にほえろ』での殉職シーンです。
前週の予告に『13日金曜日 マカロニに死す』
とあったのですが、まさか次週、マカロニが本当に死ぬとは思いもしませんでした。
たぶん友達も皆、同じだったと思います。
一応予告は衝撃的だったので、緊張感を持って、マカロニ死すの回を観ました。
途中、ゴリさんが負傷し、マカロニも犯人たちの銃撃戦で、いよいよ殉職か!と思いながら観ていたのですが、結局、亡くなるシーンはありませんでした。
「なんだ、ガサネタか……」と、ゴリさんを見舞った後のラストシーンの近くに衝撃のシーンがやってきます。
観ていない方(40代以下の人は、たぶん観ていない方が多いはず)は、どんな方法をとっても観てください。
凄いシーンでした。
それまでヒーローは死なないもんだと、勝手思っていました。
例え死ぬとしても、敵と死闘の末に命を落とすもんだ、と勝手に思っていました。
そうではありませんでした。
このシーンに、物凄いセンスを感じました。
やっぱりショーケン、カッコいい!と思いました。そしてショーケンを初め、このシーンを創ったスタッフをカッコいいと思いました。
以降、『太陽にほえろ』では、代々若手刑事の殉職シーンが恒例化していきます。
でも、初代のマカロニだけは、いわゆる殉職ではなかったのですね。
『太陽にほえろ』が長寿ドラマになった最大の理由は、このマカロニ死すの回にあると思います。
シナリオコンクール受賞を目指す皆さんも、意外性のある結末の凄さを、このマカロニ死すの回の中で体感していただきたいと思います。