シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」

シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」は、シナリオ公募コンクール受賞のためのノウハウを徹底的に追求していく唯一無二のサークルです。

ドラマにおける主人公の成長、変化を促す最大の人物。それは副主人公

こんにちは。サロンの吉野です。
シナリオコンクールの構想を決める際に、まずはドラマとしての基本を押さえていなければなりません。
その基本の一つが、ドラマとは主人公の成長、変化である!ということです。

募集しているシナリオコンクールは、1時間ドラマを想定しているものが、一番多いのではないかと思います。
当然、1時間という短い尺の中で、今回のタイトルのように、主人公の成長、変化などのドラマを展開、終息まで持っていかなければならないので、主人公と多くの人物を絡ませることは不可能になります。
私は創作交流サークル サロンで採用しています100文字ストーリーを会員の方々に書いていただく際に、この話は「誰と誰の話なのか?」と質問をします。
つまり「主人公と副主人公のどんな話なのか?」が、100文字ストーリーの大きなウエイトを占めるような作り方を求めるのです。
その理由は、主人公の成長、変化を促す最大の人物が副主人公だと思っているからです。

話は少し逸れます。
皆さんは、フジテレビヤングシナリオ大賞の受賞作を観て、あるいは読んで、どう感想を持たれますか?
通称ヤンシナは、大賞の他、複数の佳作などの受賞作を出しています。
毎年決まっている訳ではありませんが、ヤンシナ始まって以来、受賞作の数は、他のコンクールよりも多いのではないかと思います。。
おそらく違った才能がある方を多く取りたいという思惑が、昔からフジテレビには強かったのではないかと思います。

ただ、多彩な才能を求めていることが原因か、毎年の大賞作だけを比較すれば、応募する立場からすると、非常に傾向が読みづらいコンクールでもあります。
ある年は、非常に飛んだ内容のストーリーが大賞になったり、かと思うと翌年は、オーソドックスな人間ドラマらしい作品が受賞したりと、応募者が戸惑いを隠せない面があります。
昨年の大賞作『ココア』も、その内容に驚かされた方が多かったのではと思います。
まず、1時間尺にも関わらず、主人公は女子高生3人という、オムニバス形式をとっている点です。

ここで、主人公と副主人公の話に戻します。
3人も主人公が出てきたら、そもそも誰と誰の話なのかなんて、どうでもいいことじゃないの?
と思われる方も多いかと思います。
私の考えは、少し違います。
3人の主人公が出てくる話とはいえ、それぞれの主人公には、その成長、変化を促す副主人公の存在があったのです。
例えば、学校でいじめに遭っている女子高生には、公園のストーリーミュージシャンという副主人公がいました。
中学生時代にいじめをしていて、その対象の子を深く傷つけしまったことの反省から、笑わなくなってしまった女子高生には、同級生の男の子という副主人公がいました。
もう一人の女子高生は、両親ともに不倫をしていることに、深く傷ついて子なのですが、副主人公は?
この主人公の女子高生の成長、変化を促している副主人公は、母親だと、私は思いました。
母親は自ら不倫している事実を主人公である娘に話し、どういう理由で、そういうことをしてしまったのかまで、しっかりと語ります。
嘘偽りのない母親の告白を受けた主人公の女子高生は、家族をやり直したいと思うようになります。
それがこの女子高生の成長、変化なのでしょう。
このように、オムニバス形式であっても、14歳の作者は主人公と副主人公の関係性をしっかりと押さえていたのではないかと、私は思いました。

昨日、サロンのゼミがありました。
その中で、ある会員の方の100文字ストーリーの発表があったのですが、主人公と副主人公の関係性について、もう一つしっくりこないものがありました。
それは「ドラマの基本の一つ。主人公の成長、変化を促す最大の人物は、副主人公だ」ということに思いがいっていないからだと思うのです。


f:id:sinario_salon:20190421163904j:plain