シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」

シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」は、シナリオ公募コンクール受賞のためのノウハウを徹底的に追求していく唯一無二のサークルです。

シナリオコンクールで同じ人が何度も受賞してしまう謎

こんにちは。サロンの吉野です。
新時代初めての記事になります。令和の時代も宜しくお願い申し上げます。


創作交流サークル サロンの主目的であるコンクールの話題から、早速入らせていただきます。
皆さんは、どうして同じ人が何度も何回も、コンクールを受賞することができるのだろう……?と、謎に思う方は多いのではないでしょうか。
フジヤンシナやテレ朝、創作テレビドラマ大賞などは、1000本を超える応募総数があります。
その中、各コンクールで受賞者と呼ばれる人は、せいぜい3、4人がいいところです。
いわゆる最終選考に残った人を含めても、10人前後でしょう。
確率からいったら、300分の1から100分の1くらいになります。
有名大学の受験の倍率などと比較しても、このコンクールで受賞するという確率はかなり低いものだと思います。
それでは何故、同じ人が取ってしまうのか?
いつものように、私自身の経験と、私が関わってきた方々を参考に、お話をしていきたいと思います。


コンクールで複数回受賞する人のタイプ5箇条


1.コンクールに応募する本数の多さ 

当たり前のことで、大変恐縮なのですが、コンクールを複数回受賞している方々は、コンクールに出す本数が半端なく多い方です。
以前の記事で、コンクールを受賞しようと思ったら、少なくとも年間5、6本くらいは出さなければ当たらないとお話しました。
「上手い鉄砲を数打ち続けなければ当たらない」とも言いました。
要するに、量と質の問題なのですが、特に量の問題は大きいです。
複数回コンクールを取っている方は、私の認識として、年間10本以上は、必ず出している方だと思います。


2.応募本数に制限がないコンクールは、複数本出す

これも量の問題ですが、例えば、フジテレビヤングシナリオ大賞は、一人の応募本数に制限がありません。
皆さんも、ヤンシナの一次審査通過者の発表があったとき、一人の人が何本も通過しているのを見たことがあると思います。
5、6本通過しているなんて方も、過去にいました。
要するに、そういった人たちは、ヤンシナ主催者が、複数本を出してくる人には見込みがあるんだ!と思っていることを知っているわけです。
また、ヤンシナの一次審査に何本も通っていた方は、ヤンシナ受賞とはご縁がなくても、別のコンクールを取っているケースも、意外に多いのです。
もしかしたら他のコンクールの主催者が、よく名前が出る通過者をリストアップしているなんてことも考えれます。


3.時代の「匂い」を微妙に感じ取っている

こちらは「質」の問題になります。
シナリオコンクールで大切なのは、テーマの提示と、そのテーマを訴えるためのモチーフを探すことだ、と以前の記事で述べました。
このモチーフに、今という時代の「匂い」が、あざとくなく微妙に盛り込まれているものを見つけるのが上手い!
そういう方が、複数回コンクールを受賞しているケースが多いように思いました。
ここは非常に抽象的な言い方になってしまうのですが、もしかしたら、この部分だけは努力だけでは解決できず、応募者のセンス自体が問われていることなのかもしれません。


4.必ず意外性のある設定を取り入れている

こちらも「質」の問題です。
以前の記事に、コンクールで良績を残すための3つの条件というものがあることをお話しました。
3つとも意外性の追求に関するものです。
意外性のサンプルになりますので、参考にしてみてください。

①主人公の特殊(意外)な職業設定
②人間関係に意外性がある
③主人公の抱えている悩み(葛藤)に意外性がある

他にも意外性のあるものはあるかと思いますが、上記3つの条件は、シナリオの設定として作りやすい利点がありますので、お試しください。
1本のシナリオの中に、3つの条件のうち、2つ入っていれば、かなり目を引く設定になるのではないでしょうか。
ただ、3つ全部を入れるのは、無理があると思います。


5.受賞作品の「構図」を良い意味で真似てみる

「構図」という呼び方でもよいですし、「パターン」と言い換えてもよいかと思います。
シナリオコンクールの審査、特に最終審査は、毎年同じ方々が選考にあたるケースが、比較的に多いようです。
それはどういうことかと言うと、受賞作品を選ぶ際のポイントが、例年似たようなものになることがあるのです。
もちろん、それは作品が似ているということではありません。
賞を与える理由として、何が必要かなどの加点ポイントが、毎年、大きくは変わらないということです。
何回もコンクールを取っているような人は、そういった審査員たちのポイントを与える癖のようなものを感知しているのです。
それが「構図」です。
例えば、前年受賞した作品の一つに、「罪を犯した人が、その罪を償う必然性がない状況になったとき、その人は罪を認めるべきか、あるいは認める必要はないのか?」というテーマがあるとしたら、そのテーマ性は審査員の心を打ったことになります。
それがわかれば、テーマ性だけを真似て、ストーリーやキャラクター、シチュエーションなどは全く違うものにして作れば、新しい作品として認知され、盗作などの疑いをかけられる心配はありません。
要するに、審査員の心が揺れるポイントを掴むということです。
そうした審査員の心の琴線に触れる「構図」を知ることができれば、受賞のために何が必要なのかもわかるはずです。

もちろん、コンクールを複数取ったからといって、必ずプロのシナリオライターになれるのかというと、何とも言えない面もあります。  
ただ、一般的に複数取った方が、1本だけしか取っていない方よりも、チャンスが膨らんでいくことは間違いありません。


さらに詳しいことは、サロンのゼミやシナリオ診断で、折に触れてお話しますので、今回はここまでします。
とにかく「量と質」を充実させることに、努力していただきたいと思います。



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