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時代劇を書くときは、何故、今(現在に)これを書かなければならないのか?を考える

こんにちは。サロンの吉野です。
今に始まったことではありませんが、テレビの地上波では、めっきりと時代劇を放送する機会が減ってきました。
たまにやるのは、NHKと、思い出したようにやるフジテレビの『大奥』ぐらいでしょうか。
元々、時代劇を撮るのには、物凄く予算がかかりますし、その予算を確保してまで、時代劇を観たいという視聴者がどれだけいるのかという消極的な考えが、制作側の作る機会を減らす原因の一つだと思います。
それでも時代劇が好き!
時代劇のシナリオを書きたい!と思っていらっしゃる方は、今でも少なからずいます。
BSやCS放送などでは、過去作も新作も含めて、一定のソフトを提供しているところをみても、根強いファンはいるのだと思います。

ただ、シナリオコンクールに応募している方々の時代劇に対する考え方は、少し違うようです。
「そもそも時代劇はそんなに好きではないけれど、時代劇や時代物の設定でないと、応募規定枚数を埋めることができない……」という考え方です。
そんな考え方をする必要はあるのでしょうか?
こういった考え方をする人のほとんどは、「城戸賞」に応募しようと考えている方々です。

かつて「城戸賞」は、400字詰原稿用紙150枚上限が応募規定だったので、その尺に見合うジャンルだと、大勢の登場人物が必要となる
時代劇が適しているだろうと考える方が多かったようです。
実際に、『のぼうの城』や『超高速参勤交代』などが「城戸賞」を受賞し、映像化されているのをみて、「自分も時代劇を書かなければ……」と思った方が、非常に多かったのも事実でした。
近年の「城戸賞」の応募規定は、400字詰原稿用紙換算100枚程度を推奨していますので、尺によってジャンルを選ぶ必要はなくなってきました。
しかしながら、上限換算140枚まで書けるコンクールは、他にはありませんので、ある程度の尺を必要とする題材を選んだ方には、最適のコンクールだと言えるでしょう。

今回の記事でお話したいのは、好きか好きじゃないかに関わらず、今後時代劇、あるいは時代物を書こうと思っている方は、「何故、今これを書こうと思っているのか?」を考えていただきたいということす。
今というのは、現在2019年という意味です。
時代劇が好きで、その時代に生きてきた人物をシナリオで描きたい!という気持ちはよくわかります。
また、時代劇、時代物は、そんな好きではないが、テーマ的に過去を描いた方がしっくりとくるなどの理由から、書き始める方もいらっしゃるでしょう。
いずれにしても、時代劇、時代物を書く際は、今(2019年現在)に生きている人の心に訴えかけるために、あえて時代の違う過去を描くようにしていただきたいと思います。
言い換えますと、今生きている人の心に響かない時代劇、時代物は、作家として書く意味はないんじゃないか、と私は思うのです。

人間社会は繰り返しの連続です。
戦争、犯罪、汚職、不正など、時代は変わっても、性懲りもなく、繰り返し起こるのが人間社会です。
もしも今現在、描くことが難しいいテーマやモチーフがあるのであれば、それを過去に時代を変えて描くことができるのが、時代劇、時代物だと思います。
そんな点も考慮に入れて、今後時代劇を書いていただきたいと思います。


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