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定時で帰れる選択肢があることの幸せ 多様化する視聴層に、テレビドラマは今後どこにターゲットを絞っていくのか 

こんにちは。サロンの吉野です。
昨晩、新潟の地震の影響で、最終回の放送が延期になっていたTBSのドラマ、『わたし、定時で帰ります。』を観ました。


初回を観たきり、その後はあまり観ていなかったのですが、視聴率的には、想定の基準をクリアしていたみたいで、「働き方」というテーマを巡る内容が、一定の視聴者から支持を得られたようです。


人は何のために働くのか?
ラストのラストに、吉高由里子さん演じる主人公ら登場人物たちが、このドラマのテーマであろう「何のために働くのか?」の質問に、それぞれ答える形の場面がありました。
「お金のため……」、「家族のため……」、「生活のため……」など、答える人によって違いました。


ただ、初回と最終回しか、きちんと観ていなかった私が言うのも何なんですが、「何のために働くのか?」と考えること、そういった質問に対する答えに選択肢があること自体が、とても幸せなことでないか……と思うのです。

もちろん過労による病死(過労死)や自殺など、社会問題になっていることが、このドラマのテーマに大きな影響を与えたことはわかります。
それらを解決していく良い方法が見つかることを、心から望んでいます。

ただ、「なんでそこまで仕事頑張るの?」とか「今の仕事を辞めて、別の道へ進めばいいじゃん」と言い切ってしまうことには、若干の抵抗があります。


働き方そのものを問えない人々
頑張って働かなければ、文字通り生きていけない人がいます。
別の道と言いますが、簡単に別の道などという選択肢が、そもそも無い人も、たくさんいると思うのです。
現在もそして今後も、老若男女の区別なく、格差がどんどん拡大していく日本では、「働き方」云々以前に、「生きていく」ことすらままならない状況の人が、増えていく気がします。
例えば、私のようなフリーランスで仕事をしている人や、非正規で働いている人などは、年金などの社会保障を論じる以前に、とにかく死ぬまで働き続けられる仕事を見つけなければなりません。
当然、無理をしてでも、仕事を頑張らなければならないことは当たり前です。
別の道を探すなども、若い人ならば選択の余地がありますが、一定の年齢を越えてくると、その選択肢は限られてきます。


つまり、非常に個人差のある働き方を一般論で語るのは難しいのです。
『わたし、定時で帰ります。』というドラマも、響いた人には響く内容だったと思いますが、ドラマの内容、テーマ性に多少の疑問を持っている私などには、どこか他人事のように思えてしまったのです。



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多様化していく視聴者の中で、視聴率を取ることの難しさ
今に始まったことではありませんが、個人差しかり格差しかり、多様化していく視聴者の中で、この企画は当たる!と見極めるのは、非常に難しいことに違いありません。
そんな状況の中、テレビドラマは、今後どの視聴層にターゲットを絞っていくのかを見ていきたいと思います。
願わくば、テレビドラマをこよなく愛している視聴層に響く番組を提供していただけますよう、切にお願いいたします。



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