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壊れかけた夫婦が再生する物語の主人公は夫なのか? それとも妻なのか?

こんにちは。サロンの吉野です。
昨日はゼミがありました。
会員の方の発表に、テーマとして「壊れかけた夫婦が再生する話」がありました。
通常、コンクールに応募する作品の内容については、詳細はお話しないのですが、「夫婦が再生する話」は、これ自体がアイデアとは呼べないくらい、いわゆるよくある話ですので、例としてあげさせていただきました。
その前にこの会員の方が、この作品で考えているアイデアは、他の部分で素晴らしいものがあるということを付け加えておきます。


今回の記事でお話したいことは、壊れかけた夫婦が登場する場合、主人公は夫なのか? それとも妻なのか?
また、いずれかの場合、副主人公はどちらかになるのか?を考えていきたいと思います。


二人の主人公が成長変化していかなければならない場合
コンクール、とりわけテレビ局主催のコンクールは、1時間ものが多いということは、以前から申し上げていました。
1時間という尺では、当然ながら群像劇や複数の主人公がいるような設定はできません。
原則的に主人公一人が好ましいことは言うまでもありません。
ただ、今回のテーマのように、「夫婦が再生していく話」は、1時間の尺でも十分に描ける題材です。
その場合、再生していく夫婦のどちらが主人公なのか?という問題があります。
もちろん夫婦の再生がテーマであっても、夫、もしくは妻のどちらに比重を置いた作品というものがありますので、全く問題にならないこともあります。
そういったケースでは、夫婦の再生以外にも、主人公に別の葛藤がある場合がほとんどだと思います。
ただ、夫、妻共に「再生」という共通の目的があって、それ以外に大きな目的が無い場合は、彼らの成長変化は文字通り「夫婦の再生」になるはずです。
その場合、主人公は成長変化しなければならないという原則からすると、主人公は夫、妻の二人になります。
そこで今回の問題である「夫婦が再生する物語」の主人公はどちらになるのか?に戻ってしまうのです。


結論としては二人主人公でも良い
例え1時間という短い尺でも、夫婦が再生するという共通の目的を達成していく話では、主人公は夫、妻二人で良いということです。
昨日のゼミで問題になったのは、昨日発表された方が「夫婦の再生」をテーマとして掲げていることに変わりはありません。
ただ、どちらか一人を主人公にして、もう一人を副主人公にしてしまうと、テーマである再生が描きにくいことで悩んでいたのです。
要するに、副主人公は主人公の成長変化を最大に促していくという原則に行き詰まってしまったのです。
その方にアドバイスしたことは簡単です。
夫婦共に主人公にしてしまえば良いということです。
幸いにして、妻の父親が副主人公になり得る人物に造形されていましたので、問題は解決できそうでした。
このように、短い尺でも二人主人公という稀なケースがありますので、臨機応変にものを考えていただきたいと思います。

今回の結論としては、
1.「主人公は成長、もしくは変化しなければならない」
2.「副主人公は主人公の成長変化を最大に促していく人物」
3.「短い尺であっても、主人公が二人という場合がある」

以上の3つを押さえていただきたいと思います。



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