現代性、社会性のあるテーマとストーリーのジャンル
こんにちは。サロンの吉野です。
今日はサロンのゼミがありましたが、ゼミの内容に関しては、次回詳しくお話したいと思います。
今日のテーマは、映像作品を創る際に、有効と思われるΓ社会性のあるテーマとストーリーのジャンル」について、お話したいと思います。
シナリオコンクールに応募される際に、皆さんは、できればご自分の好きなジャンルの話を書きたいと思う方が多いのではないでしょうか。
人によっては、ラブストーリーが好きだという方もいらつしゃるし、ホームドラマのようなジャンルが好きな方もいらっしゃいます。
ドラマや映画のジャンルは、観る方、書く方の好みがどうしても、反映されるものなのでしょう。
それでも私が皆さんにお勧めしたいのは、コンクールの発想としては、初めにとにかく現代性、社会性のあるテーマ、モチーフを見つけていただきたいということなのです。
その良い例として、2本の韓国映画をご紹介したいと思います。
いずれも、日本で公開されたのは、今から20年くらい前の映画になりますが、両作とも、当時大ヒットした作品でした。
1本目は、『シュリ』という作品です。
昨年は、米朝首脳会談や朝鮮南北首脳会談があり、雪解け近いような南北朝鮮の関係になりつつありますが、20年前は、同じ民俗にも関わらず、いつ朝鮮戦争が再び起こってもおかしくない状況でした。
そんな中、映画は韓国の情報部員の男性と、北朝鮮の女性工作員の悲恋を描いた作品でした。
詳しいあらすじの解説は省きますが、愛しあっているのに、決して結ばれることない恋を描いた作品でした
この作品のテーマですが、言わずものがですがΓ南北朝鮮分断の悲劇」になります。
もう一本の映画は、『JSA』です。
昨年、南北朝鮮首脳会談で有名になった韓国と北朝鮮の共同警備区域(joint security area )を舞台にした作品です。
JSAをお互いに警備しながら、睨み合う韓国兵と北朝鮮兵の、ふとしたことで芽生える友情を主軸にした物語になります。
こちらも、詳しいあらすじは省きますが、北と南、友情を確かめ合うことの難しさを扱った、これも悲劇の作品です。
こちらのテーマも、「南北朝鮮分断の悲劇」です。
同じ頃に上映され、全く同じといえるテーマと作品なのに、「ラブストーリー」と「友情もの」というジャンルの違いで、新しい作品として認知され、両作とも記録的なヒットになりました。
つまり全く同じテーマであっても、ジャンルを変えることで、新しい話が作れるのです。
考え方を逆にすれば、書こうとしているジャンルは、いつもワンパターンあっても、新しいテーマやモチーフを見つければ、全く新しい作品を描くことができると思うのです。
そのためには、現代という時代がどういう時代なのかを深く見つめ、その中に社会性を見つけることが、大切になると思います。
特に現代性を求められることが多いコンクール作品では、非常に有効な手段になると思うのです。