シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」

シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」は、シナリオ公募コンクール受賞のためのノウハウを徹底的に追求していく唯一無二のサークルです。

シナリオコンクールという魔物

今晩は。サロンの吉野です。

予告しておりました昨日のゼミの内容についてお話したいと思います。

昨日は、木曜日に引き続き、創作テレビドラマ大賞応募用のあらすじの発表を中心に、時間を使いました。

今回のゼミでも、非常に期待ができる内容のものがありました。

そんな中、ある会員さんから、ホワイトボードに書いて発表という感じではなかったのですが、Γこんな感じの話を創作テレビドラマ大賞に応募したい……」というお話をお聞きしました。

その方は、いつも斬新な設定、アイデアがある作品を書かれる方で、一昨年は函館イルミナシオン映画祭で最終選考に残ったり、新設の地方発信のコンクールを受賞したりと、非常に素晴らしい実績を残されました。

そして昨年は、いよいよ大きなコンクールの受賞!と、気合いを入れて臨んだのですが、出すコンクール全てが、一次審査も通らない……というご本人にとっては、信じられない結果に終わってしまいました。

 

私は、その方の題材を選ぶ才能や書くスピードの速さ、設定作りの巧みさなどの実力を認めつつ、若干の気がかりを覚えていました。

その心配事とは、Γストーリーの設定は素晴らしいのに、そこに出てくる人物が生きた人間に思えない……」ということです。

言い方を変えると、全く芝居が書けていないということになるのです。

私はコンクールに応募してた頃から、シナリオを書くということは、役者さんが演じる芝居を描くことだと思っていました。

役者さんに、こういう芝居をしてほしい、あるいは、ライターは役者の感情が入るようなセリフ、動き(主としてト書の部分)を書くものなんだ!と思ってきました。

その芝居プラス、ストーリーの設定の新鮮さや意外性が、コンクールを取るためには、必要なんだ!と思ってやってきました。

ですので、優先順位で言えば、芝居が先!

設定は二番目!だと思い、書いてきました。

不遜な言い方だとお叱りを受けるかもしれませんが、私は人様にシナリオを教える立場になり、決して少なくはないコンクール受賞者を出すことができたのも、この順位の付け方を間違っていなかったからだと思っています。

そして昨日、その方は一年の時間をかけて気づいてくださいました。

シナリオを書く速さ、どんどん浮かぶ設定、それらを2番目に順位を下げることには、とても勇気がいることだと思います。

それでもその方は、良いドラマを創りたい! 良い芝居を書きたい!ということに気づいてくださいました。

昨日、その方からお聞きした、Γこんな感じの話で、創作テレビドラマ大賞に応募したい……」という言葉には、その気持ちが滲み出ていました。

私は率直に素晴らしいことだと思いました。

 

コンクールは魔物です。

正解などない世界です。

しかし、書く速さと設定の良さを、元から持っているその方なら、必ず良い芝居が書けて、それは必ず評価される!と、私は確信しています。