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時代劇を極上のエンターテイメントにする秘訣  それは「掟」を破ることにあり

こんにちは。サロンの吉野です。
昨日はゼミがありました。
テレ朝や橋田賞新人脚本賞、少し気が早いのですが、来年のフジテレビヤングシナリオ大賞などを想定した100文字ストーリーやあらすじの発表がありました。
もう一本、これも大変気の早い話なのですが、「来年」の城戸賞を想定した発表がありました。
今年の締め切りまで、まだ日があるのですが、そんじょそこらの努力では書けないのが城戸賞ですので、しっかりとしたものを書こうと思ったら、来年を狙う!と考えるのも当然のことだと思います。
この城戸賞想定の発表については、いつものようにコンクールのネタに関することですので、詳細はお話できないのですが、非常に興味深い内容でした。
ひとつだけ言えるのは、時代劇(主に江戸時代)を描くのに、いわゆる「掟」というカセを作り、それを破っていくという設定は、非常に面白くなる可能性を秘めているということです。
もう少しだけ具体的にお話したいと思います。


封建時代にある「掟」は、ドラマの大きなカセになる
日本の封建時代は、鎌倉時代から江戸時代までと言われています。
いわゆる武士が政権を取った時代です。
封建時代の特徴としては、はっきりとした階級社会が作られたことですが、それらを統制するために、様々な「~令」などの法律、掟が施行された点です。
例えば、『徳政令』や『棄悁令』、あるいは『生類憐れみの令』などです。
特に「士農工商」の身分差がはっきりしていた江戸時代は、太平の世であったこともあり、戦ではなく、法律、掟で世の中を統制していくことが必要でした。
戦が無い代わりに、その分掟を破った者に対しては、死罪などの厳しい処分がなされました。
ですので、この時代に置ける「掟破り」は、エンターテイメント性のあることは言うまでもありませんが、ドラマのカセとしても、非常に有効なのです。
ただ一つ、気をつけなければならないのは、エンターテイメント性ばかりを意識しすぎて、肝心の「何故この掟は施行されたのか?」という時代背景をきちんと描いていないことです。
この背景を描くことで、その時代に生きる「生の人間」を描くことができるからです。
それが「人間を描く」ということに繋がるのだと思います。
時代劇を書かれようとしている人は、これらの点を肝に命じていただきたいと思います。


時代劇にこそ現代性が必要である
もう一つ、時代劇を書く際に心がけいただきたいことがあります。
以前の記事でも述べてきましたが、どうしてこの2019年の世の中に、何百年も前の話(時代劇)を書かなければならないのか?を、しっかりと掴んでから書いていただきたいということです。
つまり「何故今の時代に、この時代の話を書かなければならないのか?」を考えることです。
結論から申し上げますと、時代劇だからこそ現代に生きる人間に何か訴えるものがなければならない……。
要するに、「現代性」がなければならないのです。
城戸賞を初め、時代劇で勝負しようと思っている方は、この「現代性」を強く意識していただきたいと思います。



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