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現代を象徴する"正論おじいさん"の一件

こんにちは。サロンの吉野です。
今朝のテレビ朝日羽鳥慎一モーニングショー』で、三重県松阪市に住む89歳になる老人と、地元商店街の人たちとの争いが特集されていました。
89歳の老人は、店の敷地からちょっとでも商品や幟などが歩道に出ていると、散々文句を言ったり、商品などを勝手に移動したりして、お店の人と揉めているそうです。
多くお店が萎縮してしまい、街の活気自体が無くなって、商店街全体的の売り上げも落ちてしまったとのことでした。
確かに自分の所有地ではない場所に商品を置いたり、看板のようなもの設置するのは違法といえば違法です。
この老人が主張するように、歩道は公共のものです。
そこに物を置けば、前屈みでしか歩けない老人がケガをしてしまう可能性がある。だから文句を言ったり、強制撤去を行うんだ、という老人の主張は、誰も文句が言えない、まさに"正論"なのです。
ただ、私も90歳になる母と暮らしていて、高齢者の方がどういう状況が大変なのかは、他の人よりは解っているつもりですが、この老人に対しては、「うん、その通りだ!」と頷けない面がありました。
頷けない原因の一つは、この"正論おじいさん"の存在こそが、今の世界、日本の社会に蔓延っている暗部の象徴のように思えたからです。


社会問題になっている高齢者との向き合い方
高齢者が引き起こしてしまう交通事故が大問題になっています。
また、昨今話題になっている年金ですが、若者世代と高齢者の不平等感が巷を賑わせています。
そして、そんな高齢者は害だ!と憚らずに言ってのける人もいます。
私はそんな意見には、もちろん反対です。
高齢の母がいることもありますが、年を重ねた方々には、一定の敬意を示すのは当然のことだからです。
高齢者の方も昔は若く、そして今の社会を支えてくれました。
今回の"正論おじいさん"も、もっと老人を労らなければダメだ!とまくし立ててました。
これもまさに正論中の正論です。
ただ、その主張を高齢者の方ご自身が、当然のことだ!とばかりに主張するのは、やはり小さくはない違和感を感じるのです。
この言葉こそ、若者が発していかなければならないフレーズだと思います。
その返答として、高齢者の方はもっと謙虚であるべきなのです。
高齢者問題は、今の高齢者の問題ではなく、やがて自分にもその時が必ずくる若者の問題だと思います。
とにかく今回のような不毛な争いは避けることが大事だと思うのです。


二極化する対立構図
今回の一件で感じたことのもう一つの違和感は、世界中が二極化した対立構図にはまってしまっているのではないかということです。
自分が信じて疑わない主張、思想を絶対のものだ!と言い放ち、反対意見の人の言っていることは悪だ!と片付けてしまう傾向が、最近世界中に広がっている気がします。
何となく、世の中に"寛容さ"とか、良い意味での"曖昧さ"、"いい加減さ"がなくなってしまったような気がするのです。
私は煙草を止めて4年になりますが、それまでは、1日に30本は吸うベビースモーカーでした。
スモーカー時代は、ヒステリックに禁煙を訴える人を、まさに煙たく思っていましたが、今ではすっかりと逆の立場になってしまいました。
煙草を吸っている人がそばにいると、嫌な顔をしている自分がいるのです。
寛容なことがすべて良いとは言えませんが、もう少し反対のことをしている人、主張をしている人の意見に耳を傾けても良いのではないか……と思うのです。
今回の"正論おじいさん"の一件も、お互いの立場を入れ換えて、穏やかに話をしていけば、争い事までにならなかったように思います。
「自分が自分が!」という主張を極力抑えて、反対の意見にも耳を傾ける。 
私自身の反省も込めて、そんな世の中に少しずつしていけば、大概のことは丸く収まるのではないかと思うのです。



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