シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」

シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」は、シナリオ公募コンクール受賞のためのノウハウを徹底的に追求していく唯一無二のサークルです。

史実に基づいた創作を行う場合、その史実の当事者だった人々にまずは思いを馳せる

こんにちは。サロンの吉野です。
一昨日のゼミで、もう一つ話題になったのは、史実を扱った作品を書くときに、注意しなければならないことについてです。
実際にプロが作っている映画やテレビドラマなどの作品にも、史実に基づいたことを題材にしたものが、非常に多いように思います。
その際、多くの制作者は、その史実の時代に生きていた人々、特に当事者に敬意を払い、その名誉を守ることを前提として創作にかかります。
また、史実になっている事件やエピソードが、比較的に最近の出来事だとしたら、当事者だけではなく、その子孫の方々にも同様の配慮が必要になります。
いずれにしても、史実を扱う際は、その時代に生きていた人々にに、まずは思いを馳せ、敬意を持って創作に臨まなければいけないと思うのです。


エピソードの面白さばかりを強調してくる制作者
初めに申し上げたように、史実を扱う作品では、その当事者などに敬意を払い、名誉を守っていくことを前提に制作にかかるクリエイターがほとんどだと思います。
ところが、こうした大前提を無視して制作を進めるクリエイターも、少なからずいます。
そういった人たちの多くは、「史実になっているエピソード自体が面白いのだから、多少強引なプロットの進め方や人物造形をしても良いんじゃないか!」という考えを持っているようです。
例えば、史実にある事件では、実際に多くの人が亡くなってような場合でも、その深刻な部分に目を伏せてしまい、事件そのものの面白さだけを追求していく姿勢などです。
要するに、事件やエピソードばかりを重要視して、その事件やエピソードに関わっていた人物たちのことを、ないがしろにしてしまっている点なのです。
そういった過程で作られる作品は、ちょっとしたブームになることはあっても、いわゆる不朽の名作と呼ばれるような、スタンダードになることはないのではないでしょうか。


コンクールに応募される人は十分に注意しなければならない
何度も申し上げますが、プロの現場では、こうした姿勢で臨まれる人は少ないと思います。
ただ、これからプロになろうとしている人、コンクールに応募しようと思っている人は、史実を基にした作品を書こうとしたときに、どうしてもその史実のエピソードや事件そのものに焦点を置いてしまうことが多いと思います。
とにかく、まず初めは、その史実に関わっていた「人物」に焦点を当て、「人物」からその「事件」なり「エピソード」を視てみることが大事なのではないでしょうか。
エンターテイメントは、人を楽しませることを主旨にしますが、肝心の人(人間)不在のような作品にしてしまっては、本末転倒だと思うのです。



f:id:sinario_salon:20190622133325j:plain