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物語の発想について2 数学的な公式に当てはめるのも効率的な方法の一つ

こんにちは。サロンの吉野です。
一昨日のゼミで触れたことをお話します。
ある会員の方のあらすじの発表があり、そのあらすじを聞かれた別の会員の方から、「聞いていて、この話の中に、テーマらしいものが見えにくい……」という意見がありました。
もちろん、あらすじや100文字ストーリーで、物語(シナリオ)のすべてを語り尽くすのは、とても難しいことです。
ただ、テーマが見えにくいとおっしゃった方は、「要するに、何が言いたいのかがわからない……」というニュアンスで意見を言われたのではないかと思います。
つまり聞く側からすれば、100文字ストーリーだろうが、あらすじだろうが、物語のことを語るならば、少なくとも作者がどういう思いで、その作品を創りたいのかを知りたいという願望があるからだと思います。


一昨日のゼミでは、テーマに関して、そんなやり取りがあったのですが、このような議論をしていると、物語を創るのは、とても難しいことのように思う方が多くなってしまうのでは……と危惧しています。


ということで今回は、文系的思考から少し離れて、物語を創ることを数学的な公式のようなもの当てはめて、お話していきたいと思います。



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物語とドキュメンタリーの違い
そもそも物語とは何でしょうか?
物語(シナリオ、小説などストーリーのことを総称して)が何であるのかを掴め切れていない人は、勉強されてきた人でも、意外と多いのではないかと思います。
しかし、おそらくほとんどの人は、幼少の頃から何らかの形で物語に触れてきたはずです。
そして、いざ物語(主にシナリオ)を書こう!と決意すると、その勉強方法は、ほとんどの人が簡単なストーリーらしいものを習作として発表していくところからスタートします。
ただ、以前の記事でも述べましたように、ストーリーから入ってしまうと、意識するしないに関わらず、どこかで観たような話を書いてしまう危険性が必ずあります。また、短い習作に慣れてしまうと、本来書きたいと思っていた尺の作品では、何が必要なのかが解らないまま過ごしてしまうことになるのです。
残念ながら、サロンの会員の方でも、その必要な点がまだよく解っていない人がいらっしゃいます。
それが顕著に出る例として、物語(シナリオ)を書きたいはずなのに、発表される100文字ストーリーやあらすじが、ドキュメンタリーもしくは、コントのようなものになってしまうのです。
テーマらしいものが感じられない…というコメントをゼミでもらったら、まずはそこに注意していただきたいと思います。
何故ならば、ドキュメンタリーやコントには、作者個人の明確な主張、つまりテーマがないからです。
ただし、ドキュメンタリーにも、もちろんテーマはあります。
しかしそれは、その番組を観る視聴者に委ねる点が大きく、制作者側は視聴者に、基本的にテーマを押し付けることは、極力しないのです。
ということで、物語には作者の明確な主張、つまりテーマが必要だということはお分かりでしょうか。


テーマこそが公式の重要な幹
前置きが大変長くなってしまいましたが、ここからは結論を伸べます。

テーマを初め、きちんとした物語の形を整えつつ、容易に物語を創る方法を、これから述べたいと思います。
タイトルにあった数学的な公式に当てはめていると、物語が比較的容易に創れるのではないかという話です。
公式は以下です。


〈物語を創る公式〉

テーマ=(キャラクター+設定)×モチーフ


いわゆる方程式のような公式ですが、説明をします。

作者の主張、テーマは物語を創る上で一番大きな幹になります。
物語を創ろうと思っている方は、必ずテーマを考えてください。

=で示した(キャラクター+設定)ですが、物語で絶対に必要な要素は、登場人物、つまり「キャラクター」です。
そしてもう一つ、この物語はどういう話なのか?という設定です。
いつも言っていますように、設定は「意外性」と「説得力」の両方を持っているものが好ましいといえます。

そして、テーマと並んで大事なのは、そのテーマに一番相応しい「モチーフ」を見つけることになります。

口で色々言っても、よくわからない……とおっしゃる人も多いので、数学的な公式にしてみました。

まだわからない……という人もいらっしゃるかと思いますが、
テーマ=(キャラクター+設定)×モチーフ
という公式だけは、頭の片隅に置いていただけると嬉しく思います。