シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」

シナリオコンクール対策の創作交流サークル「サロン」は、シナリオ公募コンクール受賞のためのノウハウを徹底的に追求していく唯一無二のサークルです。

書きたいものが書けるのはコンクールに応募している間だけ。されど「取れるもの」を書かなければコンクールは取れない

こんにちは。サロンの吉野です。
昨日はゼミがありました。

フジヤングシナリオ大賞の締め切りまで、あと一週間に迫った昨日は、シナリオ診断が二本あり、ゼミの内容もフジヤン対策の発表が中心になりました。
シナリオ診断でも、ゼミの発表の内容にしても、皆さん、非常に考えられたアイデアを出されていて、モチーフとしては、とても面白いものばかりでした。

よく言われる言葉があります。
「プロになったら、自分の書きたいものは書けなくなる……」

テレビドラマのコンクールを受賞して、運良くプロのシナリオライターになれたとしても、プロになった時点から、本来自分が描きたかった物語や世界観は書けなくなる……という意味の言葉です。

もちろんプロになってからも、書きたいものが書けるというライターもいるわけで、全員に当てはまることではないと思いますが、私の少ない体験と、様々な経験者からお伺いしたお話の限りでは、大多数の人に当てはまるのは間違いないようです。

ですので、「書きたいものが書けるのはコンクールに応募している間だけ」という言葉にも真実味があるのです。

それならばコンクールは自分が書きたいものが書けるので、何でもアリ!かというと、さに非ずだと思います。
少なくとも、ご自分が応募するコンクールの特性、特質ぐらいは勉強されて、それに合った題材、設定、モチーフを選ぶべきだと思います。

例えば、モチーフ、アイデアとして犯罪や公序良俗に反することを、主人公がしている場合で考えてみます。
応募しようとしているコンクールが、小説だったり、映画であれば、あまり問題になることはありません。
ただし、応募しようとしているコンクールが、テレビドラマを対象にしているものだとしたら、それなりの「配慮」が必要なのは言うまでもないでしょう。
例え、アイデアとして面白く、引きのある題材モチーフだとしても、その主人公の行為そのものに大多数の視聴者が嫌悪感を抱く可能性が場合、何故、主人公は犯罪や公序良俗に反することをせざるを得なかったのか?を、視聴者に対して説明、説得できるものを用意しなければならないのです。

テレビドラマ、特に民放のテレビドラマを作っているのは、テレビ局や制作会社だということは、皆さんご承知かと思います。
ただし、本当の意味でドラマを作っているの誰かというと、そのドラマを作るためにお金を出している「スポンサー」、つまりCM
という広告を出している企業なのです。
CM広告を出す企業にとって、最も避けなければならないことは、イメージ悪化に繋がるタレント、俳優を使うことと、ドラマの内容そのものが、多くの人の反感をかってしまうことです。
不倫の末、CM契約を打ち切られ、今後のテレビドラマ出演も、おそらく見送られるであろうイクメン俳優の例を見ても、いかにテレビにとって、「イメージ」が大事であるかがわかると思います。

要するに、テレビドラマのコンクールでは、何を書いても良い!というわけではないのです。
仮にアイデアに優れる題材だとしても、多くの人から反感を買う怖れがあれば、それなりの「配慮」をしなければなりません。
そうした配慮をしなければ、テレビドラマのコンクールで賞を取ることは難しいのではないかと思います。



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